※このお話には卑猥な単語が含まれている可能性があります。
ですので、その点を了承の上でご覧ください。
「ヴィータさん最近警戒しないね」
「……お前に怒ってるとこっちの被害が多いからだッ!」
「や、ごめんね。本当にすみませんでした」
「ったく……」
てな感じで仲直りして、最近は守護騎士の皆さんと仲良くやってます。
「……おい。これ、上手く持てねーぞ」
「ロクヨンのコントローラって最初は結構戸惑うよね」
「プレステに慣れとるとなー……あ、シャマルもやる? 4コン空いとるよ」
「あ、はい。えっと……こう、ですか?」
「十字キーとスティックの方持つ人って初めて見ました。久しぶりにネスで行こ」
「あ! 真似すんなー!」
そんな土曜日の午前中でした。
お昼を済ませた後は、皆でボードゲームに興じる。
人数集まらなきゃできないから、家に二人しか居なかった頃はできなかった遊びだ。
「というか、守護騎士来たら学校行くんとちゃうの」
「行きたくないでござる! 絶対行きたくないでござる!」
「言ったことは守る。来週手続きな。ハイパー仕返しタイムの餌食になりたくなかったら」
「十万ドル徴収は勘弁して欲しいでござる」
一人はいるよね。人生ゲームで妙に青マス止まるヤツ。
「あ、何か出たぞ。左隣と家を交換する……お前か」
「そんなの関係ねぇ! そんなの関係ねぇ!」
「ほら早く。順番つっかえてるんですから」
「負け犬乙」
ちくしょう。
「不運やなぁ。頭に隕石落ちてくるのも納得や」
「ここは我が予知能力で、人生最大の賭けに挑まざるを得ない」
「……その件だが」
シグナムが真面目そうな目でこっちを見てくる。
「主はやての未来で、知っていることはないか。我々も聞いておきたい」
「ん?」
未来と言うと、StSだったっけか。
「んー、詳細までは覚えてない。とりあえず十年後くらいは元気でした」
「本当か?」
「うん。でも、ちょっとアホの子になって叩かれてた気はする」
はやてと守護騎士は複雑そうな顔をした。
「ま、まぁ、その通りになるとは限らんと思うし」
「でもって、はやては守護騎士や仲間たちと一緒に、十年後にある犯罪者と戦うんですよ」
「次元犯罪者か?」
「多分。えっと、そいつの名前が……」
ここで詰まった。
思い出せない。
「じ……じぇ……ジェ……何だっけ」
「トムと?」
「ジェリー」
違う。
「じゃなくて。す、す…………スカ、何とか。スカ……」
「スカ?」
「……マグロの脂の乗ったところは?」
「え? トロ……ですか?」
シャマル先生が網にかかった。
「続けて言ってみ」
「え? 続けて……えっと」
「シャマル、ストップ。意味は知らんけど、どうせろくな単語とちゃう」
単なる悪戯だったというのに、はやてから妙なオーラが立ち上ってて非常に怖い。
具体的には死なされそうなレベル。
「さ、白状させたろか……どういう意味や?」
「……スタコラサッサだぜ!」
「こら逃げんな! ザフィーラ、ヴィータ! 捕まえて!」
「御意に」
「ウンコ! ウンコォォ!」
「このっ、てめー待ちやがれ!」
迫る狼と幼女から逃げ回る午後だった。
「…………」
「ごめんなさい。本当にごめんなさい」
言葉の意味をグーグル先生経由で知ったシャマルには、その後三日間口を利いてもらえなかった。
(続く)
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この瞬間、後の第三期の黒幕は守護騎士たちに嫌悪の視線で見られることが決定したのである。