そのころのギンガさん6



「あっ……ギンガ! いらっしゃい!」
「なのはさんっ!」

 部屋にまず居たのは、高町なのは教導官。

「あたしたちも居るぜ」

 そしてはやての守護騎士、ヴォルケンリッターの一団だった。

「皆さん! どうして……」
「……簡単だが、歓迎会をしようと言うことになってな。こうして集まった訳だ」

 答えるシグナムの嘘に、ギンガはまるで気付かない。
 彼らヴォルケンリッターが今ここにいるのは、単にはやての召集に応じ、これから起こる何事か
を記録するためだけである。
 これが歓迎会だと信じきっているのは記録される身のギンガ、そして何も知らないなのはと、偶
々この場に居合わせたフェイトだけだった。
 と、ギンガがきょろきょろと辺りを見回す。

「? どうしたの?」
「え? ええと、その。なのな……」
「あ、あ。ギンガ、その件なんやけど」

 例の「プロ」は何処にいるのか、と答えようとしたところで、割って入ったはやてがギンガを部
屋の隅へと引きずっていく。

「あの……その、え?」
「こういう時は皆に挨拶や。そうすれば自ずと答えは出る」
「挨拶……ああ!」

 内心のワクワクドキドキを押し殺したはやての言葉に納得し、皆の方を振り向いたギンガは満面
の笑みを浮かべた。
 そして言う。

「この度はお世話になりますっ、ギンガ・ナカジマなの! これから暫くの間、宜しくお願いしますなのっ!」







「……おかしいな……」

 俯いたなのはが、背後に妙なオーラを漂わせながら。

「誰に断って……私の真似してるの? …………なの」

 ゆらりと立ち上がった。



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