クワトロさんとウインディさんを踊らせて遊んでいると、オリハルコンっぽい気配がする。
 リインの気配はちょいと特殊で、ヴォルケンズやリイン2号とは少し違うから何となくわかる。ただまぁ位置までは
分からないから、漠然と遠くからこちらに向かっているような気がするだけだ。
 そういえば思い出すと、リインを迎えによこすとグレアムじいちゃんが言っていた。たぶん時間のズレも考慮して、
予定より早めに動いているのだろう。

「あっ、あ、あわわ! あわわわわ!」

 そしてウインディ様の様子が、なんだか相当慌ただしい。

「おや? ウインディのようすがBBBBBBBB」
「変な音出しながらつむじを連打した!? い、いや、そんなこと言ってる場合じゃ……く、クア姉、クア姉ぇっ!」

 つむじをぴこぴこ押されながら叫ぶウインディ先生の必死の呼びかけも虚しく、クワトロさんは汗だくになったまま
地べたに横になってぜえぜえと息をするばかりだ。暇そうにしていたはぐりんたちに団扇で仰いでもらいながら、なん
だか「ころす……ころすぅ……」と言っているように聞こえる。
 そんなにコロ助が好きだったとは知らなかった。今度会ったときは山盛りのキャベツをご馳走しなければならないと
心に決める。あとウインディさんがボードみたいなのを出したので思わず飛び乗り、お兄さんニッコリ。

「……な、なんで排除できないッスか!? ど、どいて! どいてッス!」

 乗られた側はぷんすか。

「マサルさんちのベッドみたいなキックボード出しやがって許せねえ! 一コくれ!」
「こんなベッドがあってたまるもんスか! じゃなくてどくッス! あたしたちはもう行かなきゃ、行かなきゃっ」
「そいつ殺されるから、お兄ちゃんどかない」
「誰のお兄ちゃんッスか!」
「戸愚呂  妹」

 適当に妹の名前をでっちあげてみたが、自分で想像してみるととんでもないクリーチャーが出来上がってしまって身震いする。

「……ど、どうしたんス……?」
「妄想したらオーガとオリバとジャック・ハンマーを足して2で割ったような妹ができてしまって、SAN値が4+9iくらい下がったんだ……」
「じ、自分で言って、自分で想像して自分で意味不明に苦しんでる……やはり噂どおり、とんでもないレベルの狂人ぶりを発揮してるッス……」
「次に狂人を引いたらCOしないで潜伏したいんだ。潜伏狂人が最終日PPに持ち込んで、狼さんニッコリ」
「え? ……か、噛まれたらどうすれば?」

 その発想はなかった。

「……海鳴の生き地引網と呼ばれた俺も、分からないことくらいある……」
「りょ、漁師だったんスか……なるほど、釣り竿ばかり持ってると思ったッス」
「違います」
「えっ」

 釣り竿はもらって持っていたが漁師ではないので、ふるふると首を横に振る。
 それを見ていたウインディさん、ぽかんと呆けた表情になる。しかし俺がボードに足を乗せたままなのに気付いて、はっとした
そぶりを見せた。

「だ、だから下りるッス! このボードは普通1人用だからお前は乗れないし、そもそもお前なんか乗せないッス!」
「骨川さんちのスネ夫君によれば、その手の発言は9割9分嘘らしいっす」
「真似すんなッス! あと誰ッスかそれ!」
「正面からみたらたぶん怖い人」

 知らないと言われた。地球のサブカルに染まっているのかと思ったが、どうやら中途半端なようだった。

「ドラえもんも知らないとか……どら焼きみたいな髪型してるくせに……」
「ど、どら焼き!? お、お前がそれを言うんスか!?」
「髪が伸びてるのは切ってないからだ。あとISと言うからには、男性の俺が動かせたらこれはもうラノベに出演できると思わんかね」
「意味わかんないッス! だ、だから、そこをっ」
「大丈夫。ただちに人体への影響はない」
「あるから言ってるッス!」
「まぁまぁ。さそうおどり」
「う、うわ、うわぁぁぁんっ!!」

 がっしゃんがっしゃんと逃げようとするウインディ様が面白いので、誘う踊りで動きを封じつつリインを待つ俺だった。







「ん?」
「どうしたの、キャロ?」
「あっちの方で人間っぽい気配がしたんです。私と似た感じの、召喚とかしそうな……ヴィータさん?」
「構わん、やれ」

 ヴィータの許可を受けて、ぐるんぐるんと破壊の鉄球でハンマー投げの準備にかかるキャロだった。



(続く)

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キャロ 「This way.」
ルールー逃げて。

あと役職の方の狂人は占い騙った方がたぶん強い気がする
どうしても占い騙りたくないなら ギドラやりなさい



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