= 拍手お礼不定期連載 =
なのはのテスト勉強奮闘記 4:国語編
まずは苦手教科の現代文からとはやてが言い、なのはが張り切った様子でそれ
に答えるのを、ベッドにうつ伏せになって漫画を読みながら適当に聞き流す。
「真面目に参加せんか」
「けーとくん、教えてくれるんじゃなかったの」
背中を二人に椅子にされてとても重かった。またやられたくはないので参加する。
「おぉー。漢字の書き取りが悪かったわけやないんやな。できとるやん」
答案をめくりながらはやてが言うと、なのはは嬉しそうににこにこした。
「書き取りが上達とな。じゃあ、漢字で鬱って書いてみ」
困惑+半泣きで必死こいて考えるなのはだった。いらんことすんなとはやてが
言い、ドドリアをいじめるベジータみたいに固め技をかけてきて非常に痛い。
「このままきたねぇ花火にしてやんよ」
「それはキュイです」
はやての機嫌を損ねたのか、真っ当な突っ込みに対して肩甲骨
ぐりぐりの刑が返ってきた。言葉にできないくらい悶絶する。
「こういうのを『筆舌に尽くしがたい』って言うんやよ」
「う、うん。その……すごくよくわかる……」
自分が同じようにされているところを想像しているのか、
俺を見るなのははなんだかとても痛そうな表情だった。
「じゃあここで問題といこうか。今までの会話の内容を要約せよ」
「内容のある会話なんてしてないよ……」
引っかけ以前の不成立な問題だったのを見抜かれてげんなりする。
「しかし、漢字も語彙も割とできとるし……原因は何なんやろ」
「あ、あのね。授業でやったのと違うお話も出たから、それでっ」
「あああなるほど。確かにそーやったなぁ」
「なんだ。女子もそうだったのか」
男子もそうだったのだが、期末テストでは授業で扱った話のほかにもう一題、初見の文
章から出題があったのである。答案をよく見てみると、つまずいたのはほとんどがその
一群だった。他の部分が結構よくできていることから、一応テスト対策はしてたらしい。
「初見だと探すの難しいか。文中に答え書いてあるはずなんだが」
「そ、そうなの? 答え、どこにあるの!?」
「……言っておくけど別に、問題用紙の裏に解答例が書いてあるわけではない」
「えっ……わ、わ、わかってるよ、そんなの。へ、ヘンなこと言うけーとくんだなぁ!」
そっけないようなふりをしているけれど、ほっぺたが赤くなってたりする辺りに、明
らかに動揺が見て取れるなのはだった。はやてが笑いをこらえるのに必死になってた。
「まぁ見た方が早い。じゃあちょっと、ヒントっぽいところに線引いてみるわ。参考になるっしょ」
「あ……う、うん。けーとくん、ありがとう」
「ほな、同時進行で他の教科でもやろか。古典の単語とか」
「あれは絶対日本語じゃないよう……」
はやくも弱気になるなのはだった。
「学期の初めに『同じ日本語なんだから大丈夫!』って言ってたのになぁ」
「い、言わないでよばかーっ!」
作業をする背中をぺけぺけ叩かれた。
(続く)