= 拍手お礼不定期連載 =
なのはのテスト勉強奮闘記 2:報告編
「なのはなんだが、恐れていた事態が起きてしまった。やも」
帰宅して夕飯の天ぷらそばをずるりずるりとすすりながら、八神
家の面子に今日の出来事を報告してみることにする。なのはの件。
「とうとうあれか。若本声に声変わりか」
「もうそんな時期になったんやなぁ」
んなわけあるかばかやろう。
「違う違う。中卒魔王降臨の可能性が出てきた」
「なんと……それは確かに恐るべき事態」
「どうしてそういう流れになったんだ」
「テストがあんまりにも悪くて。学校キライになりかけてた」
といったところから、中学の勉強ってそんなに難しいのかという話になる。ちゃん
と勉強量積めば大丈夫はなんだけど、そうじゃないと大変なんよとはやては言う。
「初プレイでヒトカゲ連れてニビジム行ったようなもんか」
「あれはレベル上げとかんと厳しいわなー」
ヴィータが子供の頃のトラウマを刺激してきて困る。
「まぁ冗談はともかく、どないしよ。桃子さんに相談?」
「もうした。はやても連れて、夏休みにいっぱい遊びに」
「おっぱい遊び?」
「とおっしゃるはやての胸には、何とふたつのクレーターが!」
「そうなんですか、はやてちゃんっ!」
はやてに足踏まれた。超痛すぎて、リイン2号の問いには答えられませんでした。
「完治してからどんどん健康になりやがって」
「まぁ、了解やよ。お勉強会ってことやろ?」
「そゆこと。あああそば伸びる」
「おっと」
ずるずるずる、と音が重なった。
「瞬間、衣、重ねて」
ふと変なフレーズが思いついたので、飲み込んでから口にしてみる。
「アブラダイバー」
「熱した油の中で」
「ブラックタイガー、来日」
上からシグナム、ザフィーラ、ヴィータである。シャマル先生は
思いつかなかったらしく、何を言えば何を言えばとあわてた。
「…………し、しっぽ……しっぽ……」
「んーと、えーと……」
「時間切れです」
リイン1号と2号もがんばってたけど無理でした。しょんぼりな感じになった。
「尻尾の価値は」
「あらんがな」
はやてにそう返したものの、その後エビ天の尻尾を食べるか食べないかとい
う一大論争が展開された。結局その日はなのはの件がこれ以上話されること
はなく、翌日はやてと二人でなのはの家に出発するまで忘れたままだった。
(続く)