= 拍手お礼不定期連載 =

キャロと愉快な仲間たち 8



「まだ帰りたくない気が。面白いもの見つけてないし」
「お前は一体何をしにこの世界に来たのか」

宿をとって一息つきながら、さてこれからどうするの話し合い。
お土産というお土産は美味しい干物くらいのものなので、俺とし
てはもうちょっと粘りたい。

「キャロは? 行くあてとかあるならいいけど」
「あっ……一応、時空管理局に保護してもらえれば、って……」

ああ。それでしばらくして、フェイトと会うんだっけ。
その割には、原作だと厚着だった気がするけど。やっぱり脱ぎ癖
は遺伝じゃないと伝わらないんだろうか。プレシアさんも年齢の
割にヤバかった、って昔ネットで見たし。

「……でもそれより、もっとお勉強したいです」
「なのはみたいなことを。さすがにキャロとは勝負しませんよ」
「負けた方が一つ言うことを聞くのだったか」
「次は何させてやろうか。筋トレさせたら楽しそうだ」

腕立て伏せや腹筋とか。プルプル震えながらやるんだろうなぁ。

「あ、その、お勉強っていうのはそうじゃなくて、魔法の……」
「召喚魔法か?」

ザフィーラが言うと、キャロはうなずいた。なんでも、フリード
よりでっかくて強い竜が仲間なんだけど、今のキャロだとまだ制
御できないのだとか。フリードもまだ操り切れていない、とも。

「どうしたら、なれますか? 言葉が分かるように、とか」

誰に聞いているのかと思ったけれど、キャロが見ているのは俺だ
った。まさか自分に聞いてくるとは思わず、ちょっとテンパる。

「一日一杯のチャーハンでござる!」

適当を言ってみることにした。

「嘘を吐け」

ザフィーラにぶっ叩かれた、爪が当たってとても痛かった。わざ
とやったに違いない。

「そう言われても! 俺どうすればいいかなんてわかんないし!」
「頭の中を空にすればいいのかもしれん。見ていてわかるだろう」
「あ、はい。それは何となくわかります」

キャロがちょっと辛辣な気がするんだけど気のせいか。

「きゅる。きゅー?」

フリードリヒが心配そうに首をかしげる。

「フリードは優しいなぁ。お礼にこの赤いお団子をあげよう」
「……お前、それはシャマルが作った当たり玉ではなかったか」

フリードが気絶し、キャロがパニックになり、ザフィーラはやれ
やれと溜め息を吐いて俺の頭をはたいた。



(続く)

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