なのはも結局はやてと一緒に、ぬこ姉妹に魔法を教わることになったとさ。でもって、滞在期間
は延ばすのだとか。はやてがにっこにっこしております。

「でお前はどうするの? 教本読んだりするけど、一緒に読む?」
「マジックアイテムの作り方とかなら知りたいけど、まぁいいや。自分で情報あつめる」
「わかった。それにしても好きよね、そういう地道に、足で稼ぐ感じの」

 基本的にRPGは大好きなので。町の人から情報集めたりするのが特に。
 あとはまぁ、隣で講習聞いてるとなのはやらリインやらが気にするかもー、というのもあるけど。
口には出さんが。

「情報ソースもあるし。いのりの指輪売ってくれたエルフたちとは仲良くしてるからなぁ」
「仲良くじゃなくて、あれは人間扱いされてないだけだと思うけど」
「あのときはニンジンを狙うアルミラージを大量に引き連れてたから」
「それじゃなくて、登場するときのマイケルダンスが決定的だったんじゃない?」

 とかいう話をきっかけに、なにやらそれぞれ今後どうするか、という話題になる。俺は管理局で
正社員採用とかは考えてないので、まぁせいぜいお手伝い止まりか。

「なのは。『嘱託魔導士』って漢字で……」
「あ、言うと思った。練習したから書けるもーん。えへへ、すごいでしょ。すごいでしょ?」
「五十回書け」
「よ、要求が理不尽すぎるよ!? たまには褒めてよ、もう、もー!」

 とりあえず、なのはは魔法の勉強しつつ考えるとか。今は「嘱託いいかも」な気分がある感じで、
確固たるものがある雰囲気ではないような。
 確かにまぁ、決めちゃうのはまだ早いかもわからんね。学校と両立させるつもりなら。

「ところではやては? 八神家がミッドに移住する未来はあるのでしょうか」
「んー、まだそこまではなぁ……仕事はまぁ、魔法のレベルしだいやな」
「そか。ていうか、フェイトも学校行こうぜ。戦ってばかりだと脳味噌筋肉になる」
「うん。でも今はそんなに大変じゃないから、心配しないで」

 前から嘱託やってるフェイトそん。リンディさんが気を遣ってあげているのだろう、と個人的に
は思う。そうでもないと、この人たち戦いっぱなしだもんなぁ。

「そして出稼ぎヴォルケンズですか。派遣切られてしまえ」
「誰が派遣だ誰が」
「訂正を要求する」

 口々に文句を言われたけどまぁいいや。何はともあれ、みんなストイックに働いたりはしなさそ
うだから安心である。特になのは。

「砲撃しまくって、いつの間にか絞った後のボロ雑巾になる、なんてことも想像してたし」
「ボロ雑巾って」

 すごいたとえだなぁ、と苦笑される。
 とかやっていたら、「そういえば」と思い出したように言うなのは。

「けーとくんは、考えてないの? 管理局でお仕事とかは」

 続きを促すと、出てきたのはそんな言葉。割と真面目っぽいような目をしている。

「特に考えてない。冒険ミッションとかはクロノがくれるらしいが」
「どっかの食堂でバイトしてもいい、ってゆーとったような」
「それはそれで。『お残しは許しまへんでぇー!』とかやってみたいかも」
「け、けーとさんが最強キャラに……ど、どうしましょう、この体では胃袋のサイズに限界が!」

 何やら慌てているリイン2号だが、多分おねえさんの方が食べてくれるので大丈夫だと思う。

「まあ何にせよ、やりたいことはたくさんある。俺は俺でそれを、まぁ楽しくやれればそれで」

 とか言うと、なのはは何やらはっとしたような表情になった。なんだろうと思って見てみたが、
すぐに戻る。でもってよくわからないが、なんだか嬉しそう。

「何をにやにやしているか」
「え? んー……なんでもないよっ」

 よくわからんかった。悪いことじゃなさそうだし、まぁいいかね。





「アリサはマッチ売りの少女じゃね」
「どうしてそんな過酷な未来になってんのよっ!」
「1箱525円出すよ? すごいなタバコより高いぜ!」
「そういう問題じゃないと思うけど……」

 ちなみにはやての回復メールを受けて、後からアリサとすずかも来ました。こちらとも将来の話
とかで盛り上がった。



(続く)

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話が連続なので前後編。

なのはがオリーシュについて抱いてる感情は、友情のほかにもいろいろあるんです。
その辺りももうちょい書きたいなと思ったり。あとはヴォルケンズの様子とかももっと。
ヴィータだけならすっごい出番多いんですけどね。というかヴィータが使いやすすぎるっていう。

StSではまたエンディングまでジェットコースターするので、空白期はゆっくり進行。
残りイベントはすずか関係、中学以後の管理局との話、なのはボロ雑巾あたりですね。割と絞られてきた。



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