魔物になつかれやすいことがわかっているオリーシュだが、これはひょっとしたらモンスターだ
けではなく、鳥とか猫とかの普通の動物についてもそうなんじゃないかと思い立つ。
 動物は割と好きな方なので、もし本当ならこれはうれしい。早速確かめに、エサを持って公園に
出掛けてみた。

「おかえり……わ、わ。なにそれ。上着が羽だらけやん」

 三十分後、そこには羽毛まみれでげんなりしているオリーシュの姿が!

「もう公園に菓子パンを持っていったりしないよ」
「すごー。これ全部集めたら、ちっちゃな翼とか作れるんちゃう?」
「別に小学生のオーバーヘッドキックは見たくないです」
「それ人間やろ」
「いや人間じゃなくね」

 割と間違ってるわけでもなかったため、はやては何やら納得した雰囲気になった。

「戦うなら正々堂々、チャーハンで戦おう!」
「チャーハン世界平和宣言と申したか」
「別に変じゃなくね。毎年トマト投げ祭やってる国だってあるんだし」

 いつの間にか話が脱線しているのはともかく、鳥たちに懐かれるのを通り越してまとわりつかれ
てひどい目にあった。聞きつけたシャマル先生がブラシを持ってきてくれたので、使わせてもらっ
て落としてから部屋に戻る。

「こんなはずではなかった。もっとこうミステリアスで、インプレッシブでトロピカルで、エキゾ
 チックでラメンタブルな光景になる予定が!」
「な、なにを言ってるのか分からないんですけど……よく無事でしたね。フンもついてませんし」
「ところで今ラーメン食べるっぽいのが聞こえたせいで、無性に食べたくなってきたんやけど」
「心なしか同感です」

 お昼ごはんが決定した。その日も朝は雑煮とおせちだったので、そろそろ濃い味な何かが欲しく
なってきたところである。

「チャルメラだな」
「一平ちゃんやろ」
「チキンラーメンがいい!」

 横から口を出したヴィータの意見が通り、野菜をたくさんのっけたチキンラーメンに決定。

「なのは戦では見事にチキンだっただけにか!」
「う、う、うっさい! それとは関係ない!」

 ビビリータの暗示かと思ったが、本人によるとちがうらしい。

「はやてとシャマル先生の陰謀により、キッチンから追い出されたんですが」
「そりゃそうだろ。あんだけ羽まみれになってたんだ」
「ツバメの巣とか混ざってたかもしれないのに。はやてももったいないことするなぁ」
「別にいいけど自分で作ったの全部食えよ」

 遠慮する。あと自分の作ったもので腹を壊されたらイヤなので、今回は自主的な意味でも退去す
ることにしよう。

「念のためシャワー浴びてくる。今のうちに」
「早くしろよ。遅かったらお前のぶん食べとくから」
「その場合、ヴィータの髪の毛が全部チキンラーメンになると心しておけ」
「……悪いけど意味わかんない」
「そういう呪いを考えてたんだけど。どうかな」
「無理。ていうかそれ普通に怖いって」

 さっさかシャワーを浴びに行くのでした。





「脳みそすっからかんの鳥類が相手だったからいけないと思うんだ」

 昼ごはんを食べてから騎士たちに事情を話し、何がいけなかったのか分析を図る。

「こいつらは頭いいしな」

 はぐりんたちの頭を撫でながらヴィータが言う。撫でられながらちょっと得意げにしている地上
最速の生物たち。HPは10くらい。

「なら、以前仲間にしていたおどるほうせきはどうなんだ?」
「確かに。あれは頭良くなさそうだったけど」
「マホトーンかけて、不思議な踊りか攻撃しかできなくした。近くのバンパイアさんに頼んで」
「……意外と考えていたんだな」
「あとかしこさのたねをちょっと食わせたっけ。ドラクエの知識がなかったらできなかったなぁ」

 とか話していると、ふとその時の失敗に気付いた。

「……なのはに残してやればよかった」
「ああ……それはちゃんと取っとかんと」
「でもそれよりインテリ眼鏡の方が確実だと思う」
「なのは用にぬいぐるみ買ってくるのが先じゃね。名実ともに愛玩動物に!」

 とかやっているうちに、ドラクエ談義に花が咲く。理力の杖持ってきてクロノに頼んで改造して
もらったら光魔の杖できるんじゃないかとか、ヴィータにはかいの鉄球が似合いそうだとか。

「あ! そういえば、すごろくけんまだ残っとる?」
「おお。そういや残ってる。やりたいって言ってたっけ」
「今度また、ピクニックしません? 足が治って、すごろくできるようになってからですけど……」
「そうだな。あれには落とし穴もあることだ。ヴィータがよく掛かっていた」
「ざ、ザフィーラっ! 一言余計だっ!」

 割と細かいことを覚えているザッフィーだった。

「ピクニック……」

 念願叶った感じで微笑んでいて、楽しみにしてるっぽいリインだった。



(続く)

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何がおかしかったのか分かりかけてきました。そのうちまとめて報告します。
メッセージたくさんありがとうございました。
焦りとか惰性とかいうものを蹴散らして、まったり書いていきたいと思います。



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