Q.バグを破壊する方法は?
 A.物理的に出現するので、魔法でぶっ叩いてください。
 Q.はぐれメタルは魔法が効かないが、それを蒐集した書もそうなっているのでは?
 A.そのためのオリーシュです。
 Q.答えになってない。
 A.うん。

 とか色々協議に協議を重ねて、なんとか信用を得ることに成功。また近いうちに話を……という
ことにはなったけど、その日の翠屋での会議は解散と相成った。皆と別れ、八神家に帰還する。

「まさか蒐集しとった挙げ句、なのはちゃんたちと追いかけっこしてたとは」

 するとすぐさま、はやてによるお説教。隠して騙してたのはこちらなので、ヴォルケンリッター
の皆と一緒に、ここは素直に謝っておく。

「正直すまなかった。しかし脱衣魔の真の姿をデジカメに収めておいたから、それで許して欲しい」

 いきなりはやての機嫌が、目に見えて良くなった。シグナムにノートパソコンを、俺にブツを持
ってくるように言う。そして見る。

「……わー……うわぁ……うわー……」

 大変刺激的だったようで、はやてはほっぺたを赤く染めてうわうわうめいた。

「おわぁ」
「おわぁ」
「おわぁぁ、八神家の主人は病気です」
「足的な意味で割と間違っとらん件」

 首を傾げる守護騎士たちだったが、おかしいのは多分ネタがわかるはやてだと思うんです。

「あぶない水着とはまたえらいものを……ああぁ、おへそも腰回りも見えとるし」
「正直これは予想外だったとしか言いようがない」
「写真撮影しててこんなに楽しかったことはなかった。また脱がねーかな」
「第三期が楽しみ。フェイトさんがえらいないすばでぃーになってた筈なので」
「そうなるともはや犯罪の域に達する気がするな……」

 実際に間近で見ていたシグナムが言うのだから、きっと真実なのだと思う。

「コーヒー淹れてきました。お菓子もありますよー」

 ナイスタイミングでシャマル先生がやってきた。手にしたお盆には人数分のカップと、買い置き
のチョコがいくつか。その後ろからはぐりんたちが三匹連れだって、ちょこちょこ這ってついてく
る。お菓子でももらっていたのだろう。
 PC上に取り込んだ写真を皆で見ながら、夕飯前のコーヒータイム。フェイトの脱衣でチョコが
うまい!

「そういやさ、お前の原作知識なんだけど。フェイトはともかく、なのはは当てはまんないな」
「確かに。なのはちゃん、面白かったなー。補完計画がいつの間にか機能しとったんかな」
「最近のなのはは完全に俺のおもちゃ。本人も、本気で嫌がってはいない気が」
「勘違い乙」
「自惚れ乙」

 夕飯までの時間はそんな風に話しながら、皆でまったり過ごすのでした。





 夕食後は夕食後で、やることが一つ二つあったりする。
 しかし今は特になかったりするので、てきとーにザフィーラとふらふらお散歩行ってきました。
はぐりんからもらった例の靴、歩かないと経験値はいんないし。

「今日は翠屋までの往復で結構歩いたけど、1はぐりんには届かなかったね」
「でも残り12ページになっちゃいました。1日8000歩とすると、あと2日……」
「歩数調整したかったら手伝うぞ。背中に乗れ」
「ありがと。助かるです」

 身体が芯から冷える、冬の夜だった。手の指がキンキンと冷たい。さっそく熱い湯で洗って、ぽ
かぽかしたままこたつへ直行する。全身まるごと潜り込もうとすると、頭になにか柔らかいものが
あたった。

「ここは満員だ。入ることは……できねーぜ」

 先に占領していたはやてだった。

「無駄無駄無駄無駄無駄」
「オラオラオラオラオラ」

 しばし暗闇の中でぽかぽか叩きあってから、疲れたので二人ともこたつから顔を出す。

「そういえば昼間、闇の書子さんってゆーとらんかった?」
「ん?」

 シャマル先生が持ってきてくれていた冷たいお茶を飲んでいると、はやてが思い出したように尋
ねてくる。

「言ったでござる」
「闇のしょこたん……だと……?」

 はやては厨ニ病チックな何かを感じ取っているようだった。念のために言っておくけど、はやて
の想像は絶対間違ってる。

「多分すっごいしょこたんを想像してると思うけど、そうじゃなくて闇の書の中の人です」
「えー」

 はやてはちょっとがっかりな顔をした。

「で、闇の書の中の、って?」

 アニメの住人から中の人という単語が出てくるとはオリーシュも結構びっくりです。

「実は、闇の書から出て来れない人が一人いるんです」
「なんと」

 新たな事実を知り、はやては驚きの表情を浮かべた。

「何で出て来れんの?」
「バグ持ちなので、このままだとちょっと危険みたい。それを直すのが今回の計画」
「会ってみたいわぁ……そのバグって、直るん?」
「抗体みたいなのが入ってきて、そのおかげで別の場所に移せたって言ってた」
「関係あらへんけどグロブリンって名前、何かグロテスクな感じがせーへん?」

 むしろこの年でグロブリンとかいう単語が口から出てくるはやての方が恐ろしい気がする。

「免疫グロブリン知ってるとか。どれだけ本を読みあさってたのだろう」
「あ。足がコレやから、なんでやろと思て。本読んだり、テレビの教育番組観たりとか」

 納得です。

「逆に私も、話が通じたのが結構驚きなんやけど。ホンマにトリッパーやったんやなぁ」
「大学受験を経験したオリーシュに死角はなかった」
「なのはちゃんはそうとも知らず、頑張って勝負を挑もうとしとるのか……」

 不憫な、とはやてはつぶやいた。

「あとその足、最近よくなってきてるけど、書のバグ取ったら完全に治るらしいよ」
「ホント!? ほな、温泉行こ、温泉! しょこたんも一緒に!」
「しょこたん違う」

 嬉しそうにするはやてだった。



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