任務の後はそのまま予定の空いてる人が集まって、お疲れ様の食事会。
今回はリイン無双もあったけど、個人的には初陣のはやても目を引いた。そんなことをその席で、
クロノとユーノに話してみる。
「あの面子だと見切りが抜群によかった気がしたんだが、二人の視点ではどうだった?」
「君と同じ感想になるとは」
「あの思いきりの良さはすごかったよ……」
どうやら正解だったようだ。ユーノによると手持ちの攻撃魔法が効かないと分かった途端、あっ
さり下がってスクルト連打にかかった判断力が評価されたらしい。
絶え間なくかけ続けてくれたおかげで、あまり防御に気を回さなくてよかったとクロノも褒めて
いた。自分のことではないけど、ちょっと嬉しい。
「人に見られたデビュー戦って、功を焦ることが多いはずなんだけど……」
「功とかあんまりこだわり無さそうだからな。功を焦るはやてとか想像できねぇ」
「それもそうだね」
「違いないな」
どうやら想像してみたらしく、二人してぷっとふき出した。
「いや、それにしても、強くなった……」
「最近はジゴスパークの研究をしてるとか……そういえば、クロノのマホトーンはどうなったのか」
「…… あれはもう禁呪扱いでいいと思うんだ」
「修得してたんだ」
「なのはたちもう勝てなくね」
あとついでに言うなら、スカさんの勝ち目も確定的に消えた気が。
「……ラスボスがついで扱いってどうなんだろうね」
「何の話?」
つくづくこんなんで大丈夫か、多少疑問に思う俺だった。
まあ、大丈夫なんだろうけど。
その後は当然のように、八神家で泊まりになった。残念ながらクロノは仕事のため居残りだが、
久しぶりに大人数が押し寄せて賑やかだ。
でもってちょうどいいので、寝る前に今回のはたぶん第3期ラスボスの仕業だよー、というのを
はやてたちに素直に伝えてみた。どうも自分は危機感とかそういうものが狂ってるのかもしれない
ので、ここは皆さんの意見をうかがいたい。
「……第3期というからには、発明品にもゾーマ様なみのセンスのよさを期待しとった」
はやてはがっかりそうな顔をした。大して俺と変わんなかった。
すっかりドラクエに染まっていたようだ。あといくらラスボスとはいえ、そこまでとなるとハー
ドルが高すぎる。
「原作だとスカさん、基本的に親切だからなぁ。自分のモノには名前書く人だし」
「……その人、本当に悪さをするんでしょうか……」
「襲撃はしてた。あと味方の子を拉致して、何故かドリルくっつけてたなぁ」
「発想がお前と酷似してる気がすんだけど」
「俺ならドリルより『指にさしたとんがりコーンが硬化したうえ抜けなくなる呪い』を開発するわ」
ヴィータは前言を撤回した。「こいつと同列扱いの方が可哀想だった」そうだ。失礼極まりない。
「お前とはいつか決着をつけなければならんな……」
「おっ。力ずくか? いいぜ、何でも相手になってやるよ」
「じゃあパワプロの対戦でいいかな」
「ひ、卑怯だぞ! 撤回しろこら!」
何でもと言うわりに、勝ち目のない勝負は却下らしい。
「スカさんも今のヴィータみたいな気分を味わってるかもわからんね」
「今回のレベルのままやと、本拠地にリインぶっこめば勝ちやからなぁ。やらんけど」
「そのうち新発明でもするだろ。さてそんなことより、今日の暖房要員争奪戦が心配になってきた」
「はやてちゃん、けーとくんっ。見て見て、あったかいよ?」
見ると、ぬこ姉妹とユーノ(フェレットver.)とザフィーラとアルフとお湯を飲んだはぐりんた
ちをフェイトといっしょに抱きしめたなのはが、大量のもこもこ毛布から顔だけ出してぬくぬくし
ていた。言ってるそばから取られていたらしい。フェイトなんかはもうすでにうとうとしてるし。
「えへへ、あったかぁい。……このまま寝てもいいかなぁ?」
「寝てもいいが、その場合なのは撫で放題だな。光速で撫でてやんよ」
「わたしがチリも残んないよぉ……それで、どうしよっか? 今日の配分」
「いま思ったんだが、風呂上がりのリインに可能な限り抱きついて寝ればカンタンじゃね?」
リインは困惑のあまりおろおろと狼狽した。
「こ、困りました……お姉ちゃんに、ハーレム結成の夢を先取りされてしまうなんてっ!」
リイン2のその夢は本格的に諦めた方がいいと思う。冗談だろうけど。冗談だよね?
「まーいいか。毛布も相当な枚数あるし、このまま寝よう。なのは、入れろ」
「あっ、そこ、ザフィーラさんが……」
「……いま踏んだのは誰だ」
「なら私も……だっ、だれや蹴ったのー!」
折り重なって寝ました。
(続く)
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塊魂。
今だから言うけど紐糸1、2の半分以上は携帯小説(笑)でできています。
次あたりからすずかと管理局関係の二本立てであります。