= 拍手お礼不定期連載 =
キャロと愉快な仲間たち 12
予想通り、フェイトがやってきた。
「おぉ、久しぶり。早速悪いんだけど、携帯充電してくんね?」
「先にお前をフル充電してやろっか」
フェイトを電気ネズミ扱いしてみたところ、同行していたアルフ
が俺を急速充電しようとしてきた。チリチリパーマンは勘弁して
ほしいところなので、丁重にお断りする。
「非常に残念ながら、俺は充電不可なのですよ」
「できないのか?」
「え。できないんですか?」
さりげないザッフィーとキャロの質問が非常にこわかった。
「……はじめまして、だね。フェイト・T・ハラオウンです」
「あたしはアルフだよ。よろしく」
「あ……キャロ・ル・ルシエです。こっちはフリードリヒ」
「俺もいるよ!」
「いなくていいぞ」
自己紹介をしてから、お世話になりますお世話しますのやりとり
をするキャロとフェイト。それを聞くと実感するけど、もうすぐ
お別れなんでした。
「いつ連れていくんだ?」
「今日と明日、時間が空いてて。だから、明日だね」
「今日はこっちに泊まることにしたんだよ。後で部屋取ってさ」
なるほどまだ時間はあるのだな。じゃあ後で川に釣りに行かね。
とか話していると、ベッドに座っていたフリードリヒがぱたぱた
飛びだして、何やらきゅるきゅると話しはじめた。
「きゅる。きゅー。きゅるる」
「フリードも、久しぶりにお魚がいいそうです」
「……お前って相変わらずだよね。どうしてわかるんだか」
「いや今のは簡単でしょ。首をくっ、てやったのが肯定だって」
「あ……でしたら、わかりますっ。ちょっとだけ!」
いつの間にか、キャロの言語理解がちょっとよくなったらしい。
「……その調子でヘンことまで仕込んでないだろうな」
「ご安心を。アルフが寝言でフィラリアに脅えてたことしkk」
「掴みが早いな」
「打撃が重いですね」
顔真っ赤のアルフに打たれ続ける俺を、冷静に分析するザッフィ
ーとキャロだった。
「キャロ……旅の間もこうだったの?」
「あ、はい、大体は。恐竜に追われたりとかして」
「水竜の子供になつかれてもいたな。いつも通りだが」
「……う、うん。いつも通り……かも」
寸評はいいからさっさと助けてほしいと思いながら、アルフのラ
ッシュをもらい続けてぼっこんぼっこんにのされる俺だった。
(続く)