昔、竹取の翁といふものありけり。野山にまじりてたんぽぽを取り、食のことにつかひけり。名をば、織井主となむいひける。
 そのたんぽぽのなかに、もと光らぬ菜の葉ありける。
 オリーシュいふやう、

「ようなのは。身長は三寸じゃないんだな。I★MY★3センチとはよく言ったものじゃないか」
「うう、どうして拾われる役に……どう考えてもけーとくんの方がハマり役なのに、陰謀の気配を感じざるを得ないよ……」
「けれども菜の葉は抜けませぬ」
「カブじゃないんだけど」
「カブを引っこ抜こうとしたら、ストップウォッチを掘り当てました」
「『おおきなかぶ』が『スーパーマリオUSA』にタイトルチェンジした!?」
「似たような話じゃないか」
「全然似てない……このひと相変わらず奇人変人の極みだよ……!」
「"Hi Tom, You have a big turnip!" "Hi, Jack. This is my stop watch!" "Oh..."」
「日本語おんりーだから! ほら、いくよっ!」
「"English please."」
「れっつごーだってば!」
「"Oh..."」

 家に入れて養なはす。この娘やしなふほどに(略)財ゆたかに(略)。ようよう大人になりゆく。
 大人になったよ!

「で、どーするん。火鼠の皮衣とか欲しがられても。むしろ火蜥蜴の鱗とかが欲しいんやけど。なぁなぁ」
「むしろ五人も貴公子がいない時点で話が成り立たないっつう。お前もっとモテろよ頑張れよ」
「そ、そんなこと言われても……だいたい、中高と女子校だったんだし」
「そんなんだから百合とか言われるんだ」
「その話だけは信じてないし今後も絶対信じないからね……!」

 そうこうするうち、なのはに会いたいという者が4人ばかり現れました。
 教え子だからと言うので通してみると、彼らはエリオ、キャロ、ティアナ、スバルといいました。
 可哀想なことに、やっぱりほとんどが女の子でした。

「な、なのはさん……どうしたんですか、その格好?」

 十二単です。

「えっ、あ、ティアナ……あ、あ、これはその、じゅ、十二重バリアジャケットって言って」

 残念なことになのははアドリブ能力がありませんでした。
 しかしながらティアナにとっては、けっこう憧れている教官の言葉。ひょっとしたらそういう技もあるのかと、スバルやエリオも
一緒になって思いました。後方のキャロの温かな視線が、なのはにとってはとても辛いのでした。

「じゃあちょうどいいや。面倒だし、お前らもうスカ退治行ってこいよ」
「話が違いますよ。文字通りの意味で」
「そうか、わかった。鬼退治だから吉備団子わたしとけばいいんだ」

 わかってなかった。

「もう仲間ですけど」
「そうか、吉備団子のいらない桃太郎か……」
「いえ、そもそも桃太郎ではなく」
「マムー退治だったか」

 話が戻った。

「マリオUSAに戻っとるんやけど」
「ならばドンキーだ。ドンキーを誘拐し、ディディーとディクシーが決死の大冒険を」
「デュクシー」
「誰が中二病だこのやろう!!」
「誰もそんなこと言ってませんよっ!?」

 とばっちりを受けるスバルでした。



(続かない)

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ムシャクシャしてやった



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