「つまり、次元漂流者か」

 というのは翌日、朝食を準備している時のシグナムさんの言葉である。
 さすがにアニメうんたらは言いにかったので、別の言葉で懇切丁寧に解説した結果こうなった。
間違ってないので、これでよしとしよう。

「この世界にたどり着く際に失ったが、以前は予知能力があったのだな」
「まぁそんな感じで」

 と昨晩説明したのははやてらしい。
 かなり無理矢理だけど、はやての言葉という一点でなんとか信用してくれてるみたいだ。

「この世界についても、我々についても知っているそうだな。なら……まさかとは思うが、この剣も知っているのか?」
「……レバ剣! レバ剣じゃないか!」
「レッ……!」

 嫌な略称だったのか、シグナムの動きが固まった。

「ごほんっ! とっ、とにかく、それについてはもういい。分かっているとは思うが、主はやての
 温情に預かっている以上は……」
「真っ白ごはんパカッフワッ」
「人の話を最後まで聞け!」

 律儀に突っ込んでくれるシグナムさんはきっといい人だと思う。

「ん? そういえば、俺魔法使えんのかな。ザッフィーザッフィー、俺ってリンカーコアある?」
「ない」
「ないの?」
「ないな」
「な……い……?」
「ないぞ」
「…………」
「…………」





「スーパー守護騎士歓迎タイムはじまるよー!!」
「イヤッホオオォォォウ!!」

 でもはやての号令で気を取り直してヴォルケン歓迎会だぜ!
 十日くらい待ってたのがやっと報われて、はやてのテンションもうなぎ登りだ。
 机の上にもこれでもかというくらいの料理、料理、料理!

「今日もおまつりやー! たくさん食べてな! スープ、いっぱいおかわりあるから!」
「バカヤロウその前にロクヨンのコントローラだ! 念願の四人対戦できるっぜ!」

 そんな訳で二人して最高にハイです。いつも通りじゃね? とか言わない。

「え、えっと……はやてちゃん、これって……」
「え? な、なんか不味かったん? そんなぁ……」
「いいいいえそうではなくてですねそのっ、こ、このパーティーって……」
「ハイパー歓迎タイム。主役は守護騎士の皆さんですが」
「そっ、そんな、そこまでしていただかなくてもっ!」

 シャマルさんは恐縮しまくりな感じで、手を横にぶんぶん振った。見れば隣にいるシグナムたち
も、慌てた感じで話しかけてくる。

「わ、私たちは臣下です。わざわざここまで……」
「えー……でも、これから一緒に住むんやし、家族になるんやし……」
「家族……い、いえ! 昨日申しました通り、私たちは貴女の僕! こうまでしていただく訳には!」
「ああっ! チャーハン作っとる! なぁなぁ、お焦げ! お焦げ作ってな!」
「は、話を聞いてくださいっ!」

 人数分のチャーハンを作っていると、必死そうなシグナムの声がした。

「とにかく! 歓迎会はこれでええのっ。一緒に暮らすんやから!」
「あ……は、はい……」

 嬉し恥ずかしな声だった。

「なら! ヴィータはお皿、シャマルはコップ! ザフィーラとシグナムは……」
「チャーハンできたよ!」
「盛り付け担当! ほな、急いで……わ、わ。すごい量。ようフライパンに入ったなー」
「か……かなり重いよ!」
「お、おい。大丈夫か? 危ないぞ」
「だ、だ、だい、じょう……」





                        ↓ シグナム  
                      ミ 。・゚・。・。)
                      ミ 。・゚。・゚  )
                        | |  |
                       ( (   )
                         ̄  ̄
   アッ       ///
 (    )o━ヽニニフ))
   (   ノ
  しー-J




(続く)

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だってシグナムにぶっかけしろって誰かが言うから……。

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