= 拍手お礼不定期連載 =

キャロと愉快な仲間たち 7



紆余曲折ありましたが、ようやく町に着きました。時刻はまだ昼
なので、うれしいことに買い物ができる。

「食材屋のおばさんに干物と干し肉を交換してもらえました」
「金はどうした。持っていないのか?」
「いや、干物が余ると思ったから。魚ばっかはアレだし」

さすが醤油というか何というか、試食させてみたところすっごい
美味しそうに食べてくれたのだ。かといって干し肉も負けてはい
なかった。すりこんだ塩の味と、タレの香りがいい感じ。

「つくづく思うが、お前はどこに出しても生きていけそうだな」

呆れたような感心したような声でザフィーラが言った。割とそう
かも、と思いながら、もらったばかりの干し肉を皆に渡す。小腹
が空く時間なので、甘くはないけどおやつタイム。ジャーキーみ
たいでなかなか旨かった。

「ところでフリードって雑食? 魚も食べてたけど」

久しぶりのお肉を美味しそうに食べていたキャロが、ごくりと飲
み込んで口を開く。

「はい。お肉もお野菜も、どっちも……」
「きゅっ……きゅる。きゅー」
「どっちもだけど、草は少なめとな。外見は草食なのに」

ぱたぱたと羽ばたくフリードを見て、何となく読み取る。確認し
てみるとうなずいたので、間違ってはいなかったみたい。見た目
と違いトリケラトプスっぽくなく、意外というか残念というか。

「どっ、ど、どうしてわかるんですかっ!?」
「こいつは昔からこうだぞ」
「言いたいことは何となくわかる。ミジンコとかじゃない限りは」

 キャロが、はぁっ、と嘆息した。

「れっ……レアスキル……?」
「いや、そんなんじゃないと思う。いつの間にかこうだったなぁ」
「蒐集をしていた頃からだな。メタル軍団を使いこなしていた」
「そうそう。蒐集って懐かしいな。ちゃんと餌あげてる?」
「ああ。主が嬉しそうにやっていたぞ」

キャロはじっと見ていた。普段ふざけてばかりの顔が、今は優し
げな表情になっている。真摯な思いやりがそこにあると、キャロ
は子供特有の直感で察した。意思の理解はひょっとしたら、こう
いうところに第一歩があるのかもしれない。

「じゃあ今、フリードが考えていること。温泉いきたい」
「それはお前の心の中だろう」

と思ったら、この適当さ。やるせなくなるキャロであった。

「はやてどうしてる? オリーシュ恋しさに枕濡らしてる?」
「安心しろ。元気に翠屋と高町家に入り浸っているらしい」
「どうしてこうなった! どうしてこうなった!」
「自業自得だろう」

とりあえず宿に向かうご一行だった。



(続く)

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