= 拍手お礼不定期連載 =

キャロと愉快な仲間たち 4



ミニリュウ大量ゲットを心底喜んでいたのだが、その正体はどう
やら現地の竜(水竜だか海竜だか)の子供だったらしい。残念。
お願い湖に帰してとキャロが懇願するので、仕方がないから放流
してあげることにした。干物とかにすると親のでっかいのまです
っ飛んでくると言われたので、流石に従わざるを得ない。

「でも手ぶらだと悪いので、とりあえず焼き魚を御馳走しよう」

とか言いながら、ひょいひょいと釣っていく。ここいらの川は水
が澄みきっているため鳥やら何やらに狙われやすく、むしろ魚た
ちはこの湖に集まってくるのだとか。そんなキャロの説明に違わ
ず、人数分以上にお魚が取れた。これなら干物にできそうである。

「結構時間かかるから、今日は移動ここまでにしようか」
「あの……この黒っぽいスープ、なんですか?」
「醤油。大抵のものは食えるようになる魔法のソース」

感心するキャロを横目に、塩とかも使って味をつける。それ以外
のは串に刺して火で炙ってみたのだが、これが中々美味しそう。
ちっこい竜たちが匂いに我慢できなくなったのか、きゅーきゅー
鳴いてせがんでくる。

「野生の竜種って、こんなに人懐っこくないんですけど……」

衝撃を受けたのか呆れたのか、複雑そうな表情のキャロだった。
肩の上のフリードリヒも、割とびっくりしたような気配がある。

「魔王すら手なずけた俺に調伏出来ぬモンスターはいないぜ!」
「まっ、魔王!? なっ、な、何ですかそれっ!」
「君らの未来の上司だけど」

キャロは首を傾げた。ネタバレも甚だしいので、これ以上言うの
は止めておこう。また本人に文句言われるかもわからんし。

「まっ、魔王が……上司って……」

しかしおそれ慄くキャロを見ると、もう遅いようだった。また言
い訳を考えておかないとまずいかも。

「……? ひゃあっ!」

とここで、キャロが珍しく大声を上げた。何事かと思って見ると、
その視線の先にはおおきく盛りあがったふくろが。

「あわわわっ、な、中に、中に何か…!」
「おおきく 盛りあがって」
「盛り上がらないです!」

などと言っていると、ふくろから見慣れた青い毛むくじゃらが!

「出たなオキクルミ。焼き魚食べる?」
「誰がオキクルミだ。一本ほどもらえるか」
「……きゅぅ」

ふくろの中から出てきたのは、何とあのザフィーラだった。あまり
のビックリ展開に目を回してしまうキャロだった。



(続く)



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