= 拍手お礼不定期連載 =

キャロと愉快な仲間たち 13



「ああああああ。フリードにまだ玉乗り仕込んでない」

翌日、とうとうキャロとフリードリヒとお別れする時がやって来
たのだが、重要なことを忘れていたのに愕然とする。

「お前さぁ……言葉が分かるならもっと有効に使えばいいのに」
「才能は無駄遣いするものですから」
「このぬいぐるみも……売り物にできるレベルなのに……」
「あまりにも無駄すぎて涙が出そうだ」

わんこたちが呆れた顔を、フェイトが複雑そうな顔をする。

「あの……お別れですよね?」

何かがおかしいと思ったのか、キャロがフェイトにしきりに確認
しいる。何とも答えようがなく、フェイトは苦笑いするばかり。

「何かした方がいいかね。ぽろぽろ涙を流したりする方が?」
「あ、いえ。けっこうです」

キャロに軽くあしらわれる俺だった。最初はおどおどするばかり
だったというのにまったく。

「お腹を空かせてとぼとぼ歩いてた頃が懐かしいですなぁ」
「……ありがとうございました。もし、あの時……」
「やめてくれお礼とかむず痒くて死にそうだ」
「本当にひねくれ曲がってますね」
「こうなるともう一生このままだろうな」

ずばりと冷たい評価を下すキャロとザフィーラだった。
とかやってるうちに、とうとうさよならの時がやってきました。
キャロとフェイトたちはこれから時空管理局へ。俺たちももう少
ししたら、八神家の方へ帰還する予定なのである。

「キャロ……これからは、私が傍にいるから。ね?」
「何でも言いなよ。あたしも、すぐすっ飛んでくからさ」
「はっ、はい!」

優しく言うフェイトとアルフ。キャロは恐縮した感じに、ぺこり
と頭を下げてみせた。

「そうそう! ここにタダ友もいるし!」
「誰がタダだ」

ザフィーラに罵られる俺を見て、キャロはちいさく笑った。

「楽しい旅行でした。機会があったらまた行こうね」
「今度こそは、恐竜さんに踏み潰されちゃいますよ?」

言ってからくすくすと笑うキャロを見て、また会おうねと俺は言
う。そしてどちらからともなく、固く握手を交わすのだった。





「という話だったのサ」
「と見せかけて再開!」
「と見せかけて終了」
「と見せかけて再開!」

家に帰ってはやてに報告し、まったりお茶を飲む俺でした。



(おしまい)

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