= 拍手お礼不定期連載 =

キャロと愉快な仲間たち 11



さらに宿に滞在して三日ほどが経過。街を回ったり近くを探索し
たりキャロの召喚の練習を見学したりして過ごしたのだが、そろ
そろフェイトそんが会いにくる頃になってくる。管理局経由で連
絡が取れていたため、直接話をしようか、ということになった。

「もうこのままキャロうちの子でよくね」
「え?」
「きゅる?」

しかし局員になるより、キャロは家でちくちく縫い物とかをやっ
ていた方が似合うような気するのだ。気は変わらないんじゃない
かとは思うけど、一応聞くだけ聞いてみる。

「……余の部下にならんか?」
「それって、例の魔王さんの台詞なんじゃ」
「お前を倒してこの世界を去ることにするか」

答えはNOだ…!

「だいいち、フェイトはどうするつもりだ」
「はやてがフェイトと結婚すればいいじゃない」
「はやてさんとフェイトさんって、たしか女性の方ですよね?」
「でもはやてはあれだし。おっぱい大好きだし」

それとこれとは話が別だ、もっと根本的な問題だとザフィーラが
つれないことを言う。
しかしまぁ、キャロも管理局で世話になるつもりみたいだし。本
人が決めたことなら、これ以上口を挟むまい。

「フェイトさん、楽しみにしてくださってるみたいですし」
「そか。まぁ、たまに遊びに来なね。待ってるから」
「こいつのことだ。退屈はさせないと思うぞ」
「あ、はい。それはもう何となく」

たまに言うようになったキャロである。

「はぐりんたちに会ったらよろしく。たまにバイトしてるから」
「あ……この子たちですね。覚えましたっ」
「口用の布があってよかったな」
「はぐりんたちは赤じゃないんだよね。不思議なことに」

キャロに見本として作った、はぐりん人形を手でもてあそぶ。

「SSSランクくらいって……本当なんですか?」
「詳しい値は知らないがな。魔法が効かない時点で次元が違う」
「でもかの魔王様はSが20個くらいだよ?」
「冗談も休み休み言え」
「どうやったらその人で遊べるんですか……」

キャロが理不尽なものを見る目で俺を見る。

「子供の頃からいじくってるとこうなります」
「子供の時から根性曲がってたんですね」

たまーに本当に言うようになったキャロだった。ザッフィーの影
響なんじゃないかと個人的には思うんです。

「お土産もできたし。あとは包装紙と箱が要りますか」
「あっ。お買いものですか? わたしも、行きますっ」
「わかった。包装紙ってあるかなぁ。布の袋になるかもしれん」
「キャロ。乗っていくか?」
「はい!」

とりあえず宿の外に出る。

「おっかいもの♪」
「おかいもの」
「きゅる!」

とても楽しそうなキャロを連れて、西武の冬市ではなく、近くの
バザーで買い物をする俺たちだった。


(続く)

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