アースラに来て事情説明が完了して、親睦会の続きとばかりに食堂でまったりすること暫し。砂
糖が主食と評判の艦長やオペレーター、クロノたちに案内された食堂のコックさんとかと話してい
るうち、なんかおかしいことに気付いた。
 脱ぎ魔が脱いでない。
 親睦会続行中の皆さんと一緒にお茶やお茶菓子囲みながら、ふと疑問に思って考える。常に脱ぎ
たがるんじゃなかったっけ? それとも脱ぐのは戦闘中だけだったっけか。
 多分そうだな。というか9歳やそこらで脱衣癖持ちって将来えらいことに。とか考えているとい
つの間にやら、そのフェイトと視線がはたと合ってしまった。

「……な、何?」

 いつ脱ぐの?
 と問う訳にも行かないので、咄嗟に別のことに話題をそらす。

「本当、すみません。うちの子が」
「……いえ……」

 フェイトは諦めたように返事をした。
 その頭の上にははぐりんが帽子みたいにちょこんと鎮座していたりして。こっちの頭にもゆうぼ
うが乗ってるのでお揃い状態。

「フェイト、大丈夫? それ、重くない?」
「大丈夫だよ、アルフ……あ、やっぱりちょっと重いかも」
「悪い子じゃないので。遊んであげたりしてください」
「いいなー、いいないいなー。ねぇ、おいで。こっちおいでっ」

 目をキラキラさせて言うのはなのは。よく知ってるキャラクターだけあって、何かすっごい楽し
そうだ。

「なのはがスタスタを呼び寄せて食おうとする。何という雑食、魔法使いこえー」
「しないってば! ……あぁ、逃げちゃった……」

 スタスタが向かいのユーノのところに逃げてしまい、非常にしょんぼりな感じになったなのはさ
ん。
 仕方がないので自分の頭の上からゆうぼうを下ろし、クッキーの袋を渡して餌付けを任せてあげ
た。ニコニコしながらあーんしてるし。嬉しそうだなあ。

「実際は魔法使いの天敵ですがな」
「あ、魔法効かないんだったよね。確か」
「本当か? ……後で調査に協力してもらっても?」
「うん。叩かれると厳しいけど、それより早く連続イオナズンぶっ放す。逃げ足速いし」

 勝てないんじゃね実際。そんなことないよっ……えと、多分。とかいう会話。ヴォルケンも三人
がかり+後方指揮で戦ってたくらいだし。

「てか、魔法ってどんな感じ? 転送は分かったけど。ギガデインみたいな?」
「えと……それはフェイトちゃん。私は、その…………ほ……」
「ほ?」
「ほ……ほ、砲撃とか! かめはめ波みたいなのっ!」
「……」
「そ、そんな目で見ないで! 最近は誘導弾とかだって練習してるんだからぁ!」

 必死な様相で否定するなのはだった。そりゃあビーム撃つのは知ってるし、練習してるのも知っ
てるけど。
 魔法少女が砲撃はやっぱり。ねぇ。

「仲、いいんだね」

 と言うのは横で聞いてたフェイト。ちょっと羨ましそうと言うか何と言うか。

「玩具二号です。ちなみに、一号はうちの家主」
「お……おもちゃって、おもちゃって! そんなのになった覚え無いし!」
「このお菓子美味いね。どこの?」
「あ、それ。スクラ……故郷で取れる木の実なんだ。厨房に持っていったら、味付けしてくれて」
「むむむ無視しないでよっ! ユーノ君も乗っちゃダメ!」

 ぶんぶん腕振ってるなのはおもすれー。

「……」
「『こんななのはは初めて』という表情でフェイトが俺を見る」
「あ、はい、あの……その」
「なのはのイメージが崩れた、とな。面白し。このままあること無いこと吹き込んで誤解さs」

 言い切る前に顔真っ赤のなのはに頬っぺた引っ張られて痛い。

「ところで、この後どうする? ずっと船内座談会?」
「ああ……そうだな。少ししたら、場所を変えるか」
「別の次元世界に行くなら、なのは部屋に押し掛ければ良くね。シューアイス食いてえ」

 とか話してみるのでした。脱衣魔のアーマーパージ、楽しみなんだけどまだかね。やっぱ模擬戦
させないと見れないかね。



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