「自由研究させるには学年低すぎだろ……常識的に考えて……」
「日記のめんどくささが異常すぎや……」

 はやてと二人して机に突っ伏す理由はただひとつ、夏休みの宿題が面倒くさいから。

「主、お茶とお菓子をお持ちしました」
「差し入れです。ほら、二人とも頑張って!」
「ありがとな……まぁ、日記のネタには事欠かんからええけど」
「俺のお陰だな。ふっふん」
「そーそーきみのおかげー」

 素直に誉められてないのはきっと気のせいではない。

「自由研究何にすればええんや……」
「男子の年齢と厨二病について」
「苦痛過ぎるので却下。他人の黒歴史ほど痛々しいものは他にあらへん」
「じゃあ女子の主要な購読雑誌と精神的腐敗速度の相関を」
「八神家の情操理念にそぐわないのでそれも不可やな」

 同感です。
 てな感じで意見を出し続けてみるも、なかなかいい考えは浮かばず、なし崩し的に休憩タイムへ
突入。シグナムが持ってきてくれたお茶をすすり、お茶菓子にと買っといた翠屋のシュークリーム
をいただく。
 とかやってるうちに、いつの間にかヴィータやザフィーラも散歩から帰ってきた。
 ので、そのまま皆でまったりと過ごす。夏休み長いし宿題は後回しでいいや。

「相変わらず美味しいですね」
「うん。そういえば、なのはちゃんの作ったのも紛れ込んでるって、桃子さんが言うとったなぁ」
「ひとつの手が破壊と創造とを為す……これなんて厨二?」
「一番厨二なのはお前の頭の中だろ」
「失礼な」

 でも本当に美味しい。確かに美味い。その点だけは同意だ。ちょい待て「だけ」って何ぞ。
 とか。
 家でシュークリーム作ってみる? 小麦粉と片栗粉間違えるからシャマル見学。ひぇぇぇんっ。
 とか。






「そーいや、割と順調です」
「んあ? 何がだ?」
「補完計画」

 完食してからは皆でゲームの時間になったので、コントローラをいじりながらふと思ったことを
言ってみた。

「続いていたのか」
「そりゃもう。未来のランスター家のティアナさんとか助けたいし」
「具体的に、成果ってあったのかよ」
「『当たらなければどうということはない』を刷り込んだ。今後砲撃の使用は躊躇するはず」

 おおっ、とどよめく。

「……もちろんどくどくかげぶんしん的な意味で」
「はかいこうせん当たっても、耐えきりさえすれば自己再生やしなー」
「やっぱり」
「気の毒ですね……」

 本気で気の毒そうな顔をつくったのは、実は昨日はやてに対戦を挑んで返り討ちにあったシャマ
ル先生だったりする。

「……まて。これは『避けられない状況を作れば問題なし』と思われるやもしれん」
「あ」

 ここにきて、致命的な欠陥が発覚してしまった。

「どうしよう」
「ど、どうしようって……どないなるんやろ……」
「……高町なのは、成人を前に緊縛プレイに目覚める」
「それはない」

 ないのか。鋼糸とか使う家系なのに。

「いや。戦闘民族ならきっと、夜の戦闘も凄まじいものにちがいない。もっと、アブノーマルな」
「小学生に夜の生活を語るとは。さすがオリーシュ、私らに出来んことを平気でやってのける!」
「そこにイラつく」
「ブチ切れる」

 シグナムとヴィータが親の仇とばかりに追ってきたので脱兎。

「D・V! D・V!」
「Dが足らへん」
「D・O・D! D・O・D!」
「鬱ゲー乙」

 突っ込んでいる暇があったら、さっさと止めてほしいと思った。まる。



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