スタンド使いに憧れる毎日。なんとか身に付ける方法はないものか。
 あれやこれやと考えていると目の前を、ふわりふわりとリイン2が飛んでいた。その姿を見ては
っと閃いたため、とりあえず来てもらう。

「何ですか、けーとさんっ」
「よく来たリイン。今夜は俺とお前でゴールドエクスペリエンスだ」
「ななっ! ……わ、わかりました! 今から二人の心がラブ・デラックスですねっ!」
「おお……リインのサバイバーがとてもジェントリー・ウィープスだぜ……」
「いっ、いけません、そんなに激しくスタープラチナをザ・ワールドしたら……!」

 この子と話すとこの通り、気付かぬうちに寸劇になっているから油断ならない。

「脱線しました。それはともかく、スタンドです。リインなら氷でホワイトアルバム作れない?」
「むむ。むー……氷の像ならともかく、けーとさんの体に合わせて移動させるとなるとー……」
「そうか残念。おっきなリインは常にメイドインヘブン状態なのに」
「略して『常にヘブン状態』ですか?」
「常に快楽にさらされているというのか」

 この子の発想は俺ですら目を見張るものがあるけれど、姉の方はさも心外という様子で俺を見て
いた。信憑性は低いらしい。

「ヘブン状態がなんだって?」
「メインの話題は残念ながら、ヘブン状態ではありません」
「プリン状態と申したか」
「申しておりません」

 ヴィータとはやても来た。そのまま雑談になる。

「スタンドっぽい魔法はあらへんなあ。火にしろ氷にしろ、直接作った方が早いし」
「氷の彫像でしたらいつでも作れます。北海道雪祭もどんとこいです!」
「夏場は全部かき氷になったけどな」
「暑い時期は舌で、寒い時期は目で楽しめます。一粒で二度美味しいです!」
「冬はお台場のアレにならって、今度実物大のガンダムを作るらしいから楽しみだ」
「実物大ですか! ……す、スケールを小さくしないと、リインの魔力が……」
「そんな君にこのカートリッジといのりの指輪をプレゼント。やったね」
「に、逃げ道をふさがれてしまいました! レインボーブリッジ封鎖です、おねえちゃん!」

 リイン姉は困ったような表情をした。反応に迷っているようだ。

「……あれ、何やの? このカートリッジ。なんか、変な感じがするんやけど」
「オリックを試験的に埋め込んである。実験がてら、機会があれば使ってみたい」

 全員がいぶかしげな顔をした。何故だ。

「爆発しねーだろうな?」
「爆発はしないみたいだがオリックの性格からして、悪用すると呪いはかかりそうだ」
「……こんなもん誰が作ったんだよ」
「わたしです」
「何と。作り方知っとるとは、さすがやな!」
「いや、適当に分解してオリック入れてフタ閉めただけです」
「帰れ」

 却下された。他のみんなを見回しても、全員がノーという感じで残念。

「仕方ない。クロノ経由で、どっかの研究所に預けてみるか」
「責任丸投げか。さすがや」
「まあ大丈夫だろ。悪用しそうな人のところには行かないだろうし」
「第3期のラスボスん所に流れたりしてな。いつの間にか裏ルートに入ったら」
「ハハハこやつめ」
「ハハハ」

 ハハハ!

「……あと9年か? なげぇなげぇ」
「時間加速しねーかな。どっかの神父はさっさとスタンド進化させろよ」
「そういえば、『メイドインヘブン状態』と聞くと『ヘブン状態』が……ん?」
「あっ! は、話が戻ってます!」

 いつの間にか、宇宙は一巡していたようだった。

「ならばリイン妹、今夜は俺とお前でゴールドエクスペリエンスレクイエムだ」
「ああっ、だ、駄目ですそんな、エアロなスミスさんをズッダンズッズッダンするなんて……!」

 なんかループしました。



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